speedの日常とかとか

とある公務員のブログ。書く内容は適当。2014年10月から本格的に開始。

逮捕と一口に言っても……

今年2回目の更新が、4月に入って漸くという超スローペース。

忙しいし書くネタもないしで、結局こんだけ伸びた。

ちなみにのび太の学校の先生の名前は坂本栄一朗。

 

さて、少し前まで豪雪だったけど、漸く気温も上がりはじめて春らしくなってきましたね。

もう暫く経てば桜も咲いて花見日和かな。

 

 

さて、最近は例の宗教関連のテロやら猟奇的な事件、危険ドラッグやら流行って新聞はネタが尽きたい毎日でありますな。

連日あいつが逮捕、こいつが逮捕とか騒がれてて慣れっこだと思うけど、逮捕に直接乃至間接にかかわる一般人ってやはりかなり少ないと思うんだね。

それ故逮捕に怖いイメージしか持っていない人ばかりだと思うけど、実はそうでもないんだね。

 

ということで今回は逮捕について軽く述べようかと思う。

 

 

 

1.逮捕の種類

逮捕とは、簡単にいえば、犯人が逃走しようとしたり証拠を隠滅しようとするのを防止するために、犯人の身柄を拘束すること。

それぞれの状況に応じて、

①通常逮捕

緊急逮捕

③現行犯逮捕

④準現行犯逮捕

に分けられる。

 

 

2.通常逮捕

殆どの逮捕は、通常逮捕である。

通常逮捕とは、事前に裁判官から発付された逮捕状に基づき、それによって被疑者を逮捕すること。(刑事訴訟法第199条第1項)

 

通常逮捕するためには次の要件が必要となる。

①逮捕の理由

被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(嫌疑の相当性)

この場合、被疑者が犯した罪が特定されており、その嫌疑を肯定する合理的な根拠が必要になる。

 

②逮捕の必要性

逮捕するためには次のような場合でなければ必要性があると認められず、逮捕できない。

A 罪証隠滅のおそれ

被疑者が証拠を隠滅するおそれがあるということ。

B 逃亡のおそれ

被疑者が逃走して身柄確保が難しくなるということ。

 

以上を考慮して、検察官または司法警察員が裁判官に逮捕状を請求し、逮捕状を発付するか請求を却下するか判断される。

逮捕状が発付されれば、それを被疑者に示し、逮捕することができる。また、必要があれば令状なしに、住居に入って被疑者を探し、また、現場で差押えや捜索、検証をすることができる。

 

 

3.緊急逮捕

緊急逮捕とは、一定の重罪を犯した嫌疑が充分にある被疑者を、逮捕状の発付前に身柄を拘束する逮捕のこと。(刑事訴訟法第210条)

この場合、逮捕後すぐに裁判官に逮捕状の発付を求めなければならない。

 

緊急逮捕するためには次の要件が必要である。

①重罪であること

死刑・無期又は長期3年以上の懲役もしくは禁錮の罪にあたること。

②充分な嫌疑があること

罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由があること。

③緊急であること

逮捕状の発付を待っていたら間に合わないこと。

 

 

憲法第33条に反するという見解もあるが、判例は合憲としている。

逮捕状なしで逮捕するため、逮捕後に裁判官に逮捕状を請求しなければならない。

裁判官が請求を却下した場合は、ただちに被疑者を釈放しなければならない。

 

 

4.現行犯逮捕

現行犯逮捕とは現行犯人を逮捕すること。(刑事訴訟法第213条)

現行犯人とは、現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者をいう。(刑事訴訟法第212条)

現行犯逮捕は、罪を犯したことが明らかなので、人権を無視するという問題は起こらない。

 

現行犯逮捕するためには次の要件が必要である。

①犯罪の現行性

A 現に罪を行っている者

B 現に罪を行い終わった者

②犯罪と犯人の明白性

犯人が特定の罪を犯したことが逮捕者に明らかであること。

③逮捕の必要性

 

また、現行犯逮捕は私人でも逮捕することができるが、取調べまではできないのですぐに警察官や検察官に身柄を渡す必要がある。

 

 

5.準現行犯逮捕

準現行犯逮捕とは、一定の条件に当てはまる者が罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる準現行犯を逮捕すること。(刑事訴訟法第212条第2項)

 

準現行犯逮捕するためには次の要件が必要である。

①犯罪と犯人の明白性

②時間的近接性

直後でなくとも、罪を行い終わってから間がないと客観的に認められれば良い。

③具体的要件(1つ以上当てはまれば良い)

A 犯人として追呼されているとき

「泥棒!」と叫ばれながら追いかけられている場合等。

B 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき

盗んだ物や、血の付いたナイフなどを所持している場合。

C 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき

服に返り血を浴びているような場合。

D 誰何されて逃走しようとするとき

警察官又は私人が声を掛けたところ、逃げ出したような場合。

 

 

6.逮捕後の手続き

逮捕されたとして、その後どうなっていくのかは意外と盲点だ。

 

 

①犯罪事実の要旨の告知、弁護人選任権の告知、弁解の機会等

警察は、ただちに以上の項目を余すことなく被疑者に告げなければならない。

 

②送致

留置の要否を判断し、逃亡や証拠隠滅のおそれ等から必要がある場合は、送致の手続きに移る。

警察は逮捕時から48時間以内に、被疑者の身柄を検察官に送致しなければならない。

 

③勾留請求、公訴提起

送致されると、検察官は被疑者を勾留するかどうか判断するため、取調べを行う。

勾留が必要と判断されれば、検察官は裁判官に勾留請求を行う。

また、送致から24時間以内、逮捕時から72時間以内に、起訴するか否かを決めなければならない。

 

④勾留

警察は被疑者を原則10日間拘束し、取調べや証拠収集などを行う。

延長が必要になった場合は、更に10日間勾留期間を延長できる。

 

⑤起訴、公判

検察官が裁判官に公訴提起を求めた場合、裁判所から起訴状が被疑者に出され、被告人となる。

 

⑥判決

裁判官によって言い渡される判決は、次の種類がある。

 

A 無罪

B 科料

1000円以上1万円未満の金を支払う刑罰。

C 拘留

1日以上30日未満、刑事施設に拘束される刑罰。

D 罰金

1万円以上の金を支払う刑罰。

E 禁錮

刑務所に拘束し、刑務作業を行わせられない刑罰。

F 懲役

刑務所に拘束し、刑務作業を行わせられる刑罰。

G 死刑

絞殺により生命を奪われる刑罰。

 

実際に上記を受ける判決を実刑判決といい、罪を犯して判決で刑を言い渡された者が、執行猶予期間に他の刑事事件を起こさずにすめば、その刑の言い渡し自体がなかったことになる執行猶予付制度がある。

殆どが執行猶予付の判決となるので、冒頭に述べたように逮捕ってそんなに怖いもんじゃない。

けど犯罪はやめましょうね。

そろそろ手が疲れてきたのでばいちゃっちゃ