speedの日常とかとか

とある公務員のブログ。書く内容は適当。2014年10月から本格的に開始。

護身できない護身用ナイフ

ごきげんよう。

間もなく10月が終わろうとしている今日この頃、夜の最低気温は遂に0℃になりますた。
ちょっと見渡すと高山にははや積雪が見え、そろそろタイヤ交換の時期に差し掛かってきましたね。
ということで手が悴んで打ちにくいなう。

相変わらずインターネット環境はまだなので、今回もスマホからの投稿になりますわ。
よってフォントはずっとこのまま。

さて、前回は免停免取に関して長々と綴って疲れたので、今回は少し短めに行くよ。
ということでタイトルに帰結。


護身用ナイフとかの理由で刃物類を所持しているという人がいるとかいるとかいないとか。
しかしながらそれは通用しないのが今の世の中。

ということでみんな一回は聞いたことはあるだろう、銃刀法について今回は解説していくよ。




1.銃砲刀剣類所持等取締法の概要

平成20年12月、第170回臨時国会で、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律が成立した。平成21年1月に所持禁止の対象となる剣の範囲拡大の規定等が続々と施行され、平成21年12月に完全施行された。

さて、所謂銃刀法であるが、これは『銃砲刀剣類所持等取締法』の略。この法律は名前の通り、銃砲と刀剣類に関する諸々の規定をしている。

銃砲刀剣類所持等取締法第2条第1項
銃砲とは、拳銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃及び空気銃をいう。

銃砲刀剣類所持等取締法第2条第2項
刀剣類とは、材質が鋼質性で、本来殺傷の用途に供するために作られたもので、人畜を殺傷する機能を有し、かつ、次の形式を有するものを総称する。
a.刃渡り15cm以上の刀
b.刃渡り15cm以上のやり
c.刃渡り15cm以上のなぎなた
d.刃渡り5.5cm以上の剣
e.あいくち
f.45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛び出しナイフ


細かい部分は割愛したが、第2条では銃砲刀剣類の定義を示してある。


日本では銃砲は基本的に売られていないので、今回は刀剣類を中心に述べていく。




2.所持の禁止

銃砲刀剣類所持等取締法第3条
銃砲刀剣類は、
a.法令に基づき職務のため所持する場合(例えば警察官)
b.公安委員会の所持の許可を受けた銃砲刀剣類(変装はNG)
c.猟銃等保管業者が委託にかかる猟銃等を法定の基準に従い保管所持する場合
d.教育委員会の登録を受けた銃砲刀剣類を所持する場合
等一定の場合を除き、何人も所持が禁止されている。


つまり、特別な許可を受けない限り、これらの類の物は所持しているだけで罰せられることとなる。

良くあるのが日本刀の件だが、日本刀は作る際に登録証が付される。この登録証があれば所持していても良いということになるので、家の家宝が日本刀だからといって焦らないでも良い。但し登録証がないとまずいことになるので、心配なら一度確かめられたい。



3.刃物の携帯禁止

さて、銃刀法はとりあえず刃渡り15cm以上じゃなければ良いんでしょ?という勘違いをされたらまずいので、更に先に進んでゆく。

銃砲刀剣類所持等取締法第22条
何人も業務その他正当な理由による場合を覗いては、刃体の長さが6cmを超える刃物を携帯してはならない。

銃刀法にはこのような別の条文がある。今度は6~15cmの刃物が対象であり、所持禁止ではなく携帯禁止となっている。
つまり、銃砲刀剣類とは異なり、家に置いてある程度では罰せられない。

携帯とは、直ちに使用できる状態におくことである。すなわち護身用ナイフはこの時点で当該条文に引っ掛かってくる。


また、正当な理由とは、肉切包丁を食肉を切るため肉屋が携帯するような場合など、常識的に考えて正当な理由という意味をいう。


また、この条文の刃物には例外があり、6cmを超えても許容される場合がある。
a.はさみ
はさみの場合は8cm以下で、かつ、刃体の先端部が著しく鋭くかつ刃が鋭利なはさみ以外のはさみであれば6cmを超えていても良い。

b.折りたたみナイフ
8cm以下で、かつ、刃体の幅が1.5cmを超えないもので、かつ、刃体の厚みが0.25cmを超えないもので、かつ、刃体を固定させる装置を有していないものであれば良い。

c.果物ナイフ
8cm以下で、かつ、刃体の厚みが0.15cmを超えないもので、かつ、刃体の先端部が丸みを帯びているものであれば良い。

d.切出し
7cm以下で、かつ、刃体の幅が2cmを超えないもので、かつ、刃体の厚みが0.2cmを超えないものであれば良い。


さて、こんな風に記述すると、それなら6cm以下なら良いよね!という輩が出てくるかも知れないので、先に進んでゆく。



4.刃物の隠匿携帯禁止

軽犯罪法第1条第2号
正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は拘留又は科料に処する。


今度は隠匿携帯すなわち、隠して携帯していた者に関するもの。
この法律では長さは指定されていないので、刃物であれば全てが該当する。
つまり全ての刃物について、護身用として携帯することは違法であるという結論が導き出せる。


如何に世の中無秩序といえ、護身用として持っていたら自分が捕まってしまうので、要注意されたい。



5.都道府県条例

さて、最後におまけではあるが、それぞれの都道府県には条例があり、そこでも刃物に関して定めている。
例えば岐阜県の場合。

岐阜県公衆に著しく迷惑をかける行為等の防止に関する条例第2条第2項

何人も、公共の場所又は公共の乗り物において、正当な理由がないのに、刃物、鉄棒、木刀その他人の身体に危害を加えるのに使用することができる物を、通行人、入場者、乗客その他の公衆に対し、不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。




神奈川県。


・神奈川県迷惑行為防止条例第2条第3項

何人も、公共の場所又は公共の乗り物において、正当な理由がないのに、鉄パイプ、木刀、金属バット、刃物その他これらに類するもので、人の身体に重大な危害を加えるのに使用されるおそれがあるものを、通行人、入場者、乗客その他の公衆に対し、不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。



徳島県


徳島県迷惑行為防止条例第3条第3項

 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、みだりに刃物(銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第二十二条の規定により携帯を禁止される刃物を除く。)、鉄棒、木刀その他人に危害を加えるのに使用されるような物を、通行人、入場者、乗客等の公衆に対し、不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。




大体同じような条文が各都道府県にある。
というわけでどんなに足掻こうがもがこうが、護身用ナイフは違法なので、携帯していた人はそっと引き出しにしまいましょう。



結局長くなって疲れたので今回はこの辺で