誤用すべきものとそうでないものの境界線
約1年ぶりの更新。
去年も言ったと思うが、決してこのブログの存在を忘れていたなんてことはない。ある。
さて、何やらかんやらで色々なことがあったけど割愛。
最近は美術検定でも受けようかなと思いながら株を始めましたまる
さて、今回のトピックはワッチの得意分野の漢字に若干かぶるかなかぶらないかないやかぶらない(非常に読みにくい)あたりの鬩ぎ合いに所に突っ込んだ内容。
まぁ国語だね。
最近は所謂「ラ抜き言葉」「サ入れ言葉」が日本語の誤用だのなんので、色んなコラム等に掲載される話題として注目されている。
さて、個人的には上記言葉は嫌いで気の置けない間の会話であっても、努めて正しく使おうとはしているけど、時々素で「出られる」を「出れる」と言ったりしてしまったと思ったり。
しかしながら日本語の変革はいつの時代にもあったもので、ラ抜き言葉に関しては別に良いんじゃないかなと思っている。
一字抜けることで言いやすくもなるし、余程外人でなければ意味も伝わる。
けだし、外人がgreatをgr8と記載するようなのに似ているのではないかな。
まぁラ抜き言葉によって可能の意味がなくなったりと文法上は崩壊してしまうらしいが、文法を気にせず使えるネイティヴなら余程問題はないだろう。
さて、もう一つがサ入れ言葉だが、これに関しては逆だ。
一字入れて長くなるし遜りすぎて慇懃無礼になるのではないか。
「やらせてもらう」を「やらさせてもらう」と言ったり、はっきり言って回りくどい。
寧ろ「やらせてもらう」という表現ですら回りくどいので、二重に回りくどい。
よくある「おっしゃる」を「おっしゃられる」はラ入れ言葉になるのだろうかと思ったり。
何にせよ、個人的にはラ抜きはやや許容、サ入れは全否定のスタイル。
まぁ当事者が問題ないのであれば良いんでないかな。
さて、よく「恣意的」の誤用についての見解で盛り上がることがある。
「恣意的」とはご存じのとおり「思うがままに」という意味で、「方程式の解を恣意的に探し出す」とか言った具合に用いるのが普通だ。
これに対して「意図的」という意味で使うのは誤用だと主張する人と、それに対して疑問を投げかける人がいる。
個人的には誤用派だったが、最近は後者側に立っている。
「恣」は「ほしいまま」と読み、「恣意」とは「自分の思うまま」という意味であるので、漢字からして意図的という意味でも問題ない気がする。
どちらにせよ新聞やテレビ等でも後者の意味で使われているので、今更誤用だ誤用だ言っても無駄な気もする。
よく疑問に思うのは「済し崩し」の誤用だ。
「済し崩し」は「物事を少しずつ済ませる」という意味で、「借金を済し崩し的に返済する」等と使う。
意味が分からないのは「曖昧にする」とかいう誤用で、漢字を見ればこんな意味がどこからくるのかサッパリ。
しかも誤用の方が多数というので驚き。
これは流石に誤用を許せる代物ではない気がするが、日本語が変革していったらいつの間にか正しい意味になっているのかもしれない。
ラ抜き言葉や、「上を下への」を「上へ下への」と誤用したりと、言い方の間違いは別に察すれば問題ないと思うが、意味の取り違えは問題だと思う。
「済し崩し」にせよ、特に多いのが「確信犯」だったりと、意味が違うとサッパリ分からなくなる。
誤用の方が蔓延しているとなると、正しい日本語を学んだ人ほど意思疎通が出来なくなる事態になる。
ここら辺に誤用すべきものとそうでないものの境界線があるのではないだろうか。
折角なので参考までに、よく誤用される語句を列挙しておこう。
・気が置けない
正しい意味)遠慮したり気を遣う必要のない間柄
誤った意味)遠慮するべき間柄
・確信犯
正しい意味)本人は正しいことであると信じて行う犯罪
誤った意味)悪いと知りながらやった犯罪
・姑息
正しい意味)その場しのぎ
誤った意味)卑怯
・須らく
正しい意味)当然すべき
誤った意味)全て
・敷居が高い
正しい意味)不義理があって、その人の家に行き辛い
誤った意味)ハードルが高い
・失笑
正しい意味)思わずクスリと笑う
誤った意味)笑えないほど呆れる
・破天荒
正しい意味)前人未踏のことを達成する
誤った意味)大胆な